
近年、電気自動車やハイブリット車が普及してきてエンジン音が静かな車が増えてきています。
一方、車内が静かになったことでロードノイズを気にされている方が増えています。
ロードノイズとは車の走行時に車内に伝わる(振動や騒音)をロードノイズと言います。
この記事では、不快な振動や騒音(ロードノイズ)の原因と対策についてロードノイズ対策のプロショップが徹底解説していきます。
是非、快適な車内空間を実現して頂ければと思います。
ロードノイズはタイヤから
伝わる振動や騒音が原因
ロードノイズは、自動車が高速走行する際にタイヤと路面の摩擦(刺激)によって発生した振動が、サスペンションをはじめとする懸架部分を通してボディに伝達されてしまいます。
そして、走行時にはタイヤと路面の刺激によって騒音が発生します。
車が停車している際にはノイズは気になりませんが、車を走行させるとタイヤと路面に摩擦が加わるので、最初に振動や騒音を発生する箇所はタイヤなのです。
ロードノイズの周波数は50~500Hzとなります。車を走行させるとこのようなノイズの原因である周波数が発生するので不快なロードノイズとなるのです。
ロードノイズ対策に使用されるデッドニング加工
ロードノイズを対策するために使用されるのがデッドニング剤を使用する加工です。
このデッドニング加工とは、主に3つの役割を果たします。
❶制振性効果
❷遮音効果
❸吸音効果
では、具体的に❶~❸について詳しく見ていきましょう!
❶制振性効果
制振性効果とは、ブチル素材のデッドニングを鉄板部分に張り付けることで振動の共振を抑えることが可能となります。この共振を抑えることでロードノイズを劇的に減らすことが出来るのです。余談ですが、新幹線のグリーン車は一般車両に比べ制振性や遮音効果の高い設計となっており、時速200キロを超える速度で走行していても人に伝わる振動や騒音を効果的にカットしているのです。
❷遮音効果
外部(車外)から侵入する騒音(エンジン音など)を跳ね返す役割を果たすため、車内に騒音が入りづらくなります。自分の車が走行している近くにバイクやトラックなどが走った際にも他車の騒音を跳ね返すことが出来るのです。
❸吸音効果
吸音効果とは、車内に発生した音や振動を吸収する効果があります。
車の中で会話をしたり、音楽を聴いたりした際に音が鉄板部分に伝達されて跳ね返ります。この音が跳ね返るのがノイズの一つとされており、音や振動を吸収することで車内を劇的に静かにさせることが出来るのです。
上記の3つは使用するデッドニング剤によって得られる効果は異なるため、用途に応じて施工する必要があります。
では、実際にロードノイズを対策するならどの箇所から行えば良いのか見ていきましょう!
ロードノイズの対策に有効な施工箇所
ロードノイズを対策する上で、ノイズの発生源や発生しやすい場所があります。
これらの発生源や発生しやすい場所からお伝えしていきますので参考にして下さい。
ロードノイズを対策するならタイヤハウスから行うべき
ロードノイズ対策を行うなら必ず足元(タイヤハウス)から行うようにしましょう。
先ほども少しお伝えしましたが、ロードノイズの発生源はタイヤと路面の摩擦でサスペンションに伝わり、やがて、タイヤハウスに伝達されます。
このタイヤハウスのデッドニングを行うことで、車のフロア部分やルーフ、ドアに伝達されるのを未然に防ぐのです。 上記のようにタイヤハウスカバーを外した内側をデッドニング材を張り付けていきます。
このようにデッドニング材を張り付けることで鉄板に共振する振動を抑えることが可能となります。 また、上記のようにタイヤハウスカバーにもデッドニング材を張り付けることでロードノイズ対策には有効です。 タイヤハウスデッドニングについて詳しくはこちらをご覧下さい。
タイヤハウスの次はフロアのデッドニングを行うこと
続いてのロードノイズ対策はフロア部分のデッドニングです。
タイヤと路面の摩擦による振動や騒音はタイヤハウスからフロア部分に伝達されます。
上記画像のようにフロア部分にデッドニング材を張ることでタイヤハウスから伝わる振動を大幅に軽減させることが出来るのです。 フロアデッドニングについて詳しくはコチラをご覧ください。
ルーフにもロードノイズ対策
ルーフの鉄板はフロア部分よりも薄いため振動が伝わりやすい傾向にあります。
ルーフにデッドニング材を張り補強することで鉄板の共振を大幅に抑えることが可能となります。
また、ルーフ部分にデッドニング材を張り付けることで雨が降った際の雨しぶきの音も抑えることが可能となります。
雨が降るとコンコンと響く高音を軽減することが出来るのでノイズ対策には有効です。 制振材を張り付けた後に吸音タイプのデッドニング材を張ることで外部からの騒音を吸収し車内に伝わりづらくします。
ロードノイズ対策の最終系はドア
ロードノイズを最終的に抑えるならドアのデッドニングを行うことです。
タイヤハウスからのドアに振動が伝達され、車外からの音(騒音)はドアから侵入します。
上記画像のようにドアに制振材を張り付けることで振動を抑え、吸音材を張ることで車外からの騒音を吸収し車内に伝えないのです。 ドアも内部には吸音材をぎっしりと張り付けることであらゆるノイズをカットします。
エンジン音のノイズ対策(ボンネット部)
ボンネットの裏側に吸音材を張り付けることでエンジン音を軽減させることが可能となります。
近年、ディーゼルエンジンなどの車両はエンジン音がうるさいと気になる方が多いです。
エンジンの裏側にノイズ対策として吸音材を張り付けることで、車内に侵入するエンジン音を効果的に軽減させることが可能となります。 ロードノイズは振動と騒音です。この騒音や振動も場所によって施工内容が異なります。
ノイズをカットするために車内のフルデッドニングを行うことで快適な車内空間を実現します。
参考記事:車内空間の魔術師|車内空間を快適に
ロードノイズ対策のデッドニング材一覧
制振&吸音&遮音材
フォーカル社のBAM(バム)は遮音、吸音、制振効果に優れたデッドニング材です。
このデッドニング材は他社のデッドニング材に比べロードノイズ対策には非常に有効な製品です。
素材は3層構造になりあらゆるノイズを効果的にカットします。
制振材
制振剤はブチルとアルミ製の2層構造のマットを使用していきます。この2層構造の素材を張り付けることにより制振性を向上させることが可能となります。
この制振材でカットする周波数帯は250Hz以下低周波のノイズをカットすることが可能となります。
施工できる箇所はドアやフロア、ルーフなど全ての箇所に施工することが出来る製品です。
防音材(吸音効果のみ)
吸音材は振動をカットすることは出来ませんが、音を吸収する効果に優れるため、車内の音の反響を抑えると同時に車外からのノイズ(騒音)を吸収し、車内の人に伝えづらくする効果が得られます。
吸音材(断熱効果も含む)
中には、吸音材と遮熱材の両方が得られるノイズ軽減マットもあります。
この製品はただの吸音材に比べ吸音効果は衰えますが、天井などに使用することで夏場の炎天下でも熱を軽減することが可能となります。
ノイズ対策に有効なデッドニング材メーカー
ノイズ対策 BAM
ロードノイズ対策最も優れるフォーカル社のBAMは主にタイヤハウスへの施工をおすすめするデッドニング材です。
ロードノイズ対策専用に開発された制振材は3層構造で愛車の快適性を極限まで向上させます。
◆タイヤハウス
ノイズ対策 アクワイエ
メイドインジャパン製品で高性能の制振材となります。デッドニング材は熱や湿気で劣化してしまい数年経つと剥がれる可能性があります。
しかし、アクワイエの製品は吸着性に優れ、一度張り付けることで剥がれてくるリスクを大幅に軽減させることが可能となります。
◆ドア部 ◆ルーフ ◆フロア部分
ノイズ対策 レアルシルト
世界最高峰の制振材ブランドとして多くの車両に取り付けられている制振シートです。柔軟性もよく複雑な箇所への施工にも有効な商品です。
◆ドア部 ◆ルーフ ◆フロア部分
ノイズ対策 STP
レアルシルトやアクワイエに比べ安価なデッドニング材です。制振効果はレアルシルトやアクワイエの方が勝りますが、価格が安価なため安く抑えたい方にはおすすめの製品です。
◆ドア部 ◆ルーフ ◆フロア部分
以上がおすすめのロードノイズ対策(デッドニング材)でした。
次は、プロショップにお願いした場合の施工価格を見ていきましょう!
ロードノイズ対策の価格
ドアデッドニング料金表
項目 | ライトプラン | スペシャルプラン | ライトプラン | スペシャルプラン |
2枚ドアの場合 | 4枚ドアの場合 | |||
価格 | ¥66,000 | ¥88,000 | ¥121,000 | ¥154,000 |
※ライトプランには内装パネルの吸音材の張り付けは含まれません。 ※ライトプランは粘弾性のブチル素材を使用します。 ※スペシャルプランは粘弾性ブチル素材とアルミシートの2層構造を使用します。 |
※全て税込価格です。
フロアデッドニング
ルーフデッドニング
※全て税込価格です。
フルデッドニング料金表
追加オプション タイヤハウスデッドニング(フォーカルBAM)
車種 | タイヤハウス4カ所 | フロント2カ所 |
国産車 | ¥154,000 | ¥92,400 |
輸入車 | ¥169,400 | ¥101,640 |
※その他割引との併用は出来ませんのでご了承下さい。 |
※全て税込価格です。
追加オプション(フルデッドニングと同時施工の場合)
車種 | タイヤハウス4カ所 | フロント2カ所 |
国産車 | ¥123,200 | ¥73,900 |
輸入車 | ¥135,500 | ¥81,300 |
※その他割引との併用は出来ませんのでご了承下さい。 |
※全て税込価格です。
まとめ
ロードノイズとはタイヤと路面の摩擦による振動と騒音が原因で車内に伝達されます。
このロードノイズは発生源は主にタイヤ回りとなり、車内の鉄板に振動が共振されノイズを引き起こします。
ロードノイズを対策するには車内の鉄板部分に制振材をはり共振を抑えることで振動を減らします。また、吸音材も張り付けることで車内に侵入する騒音をカットすることが出来るのです。
ロードノイズは施工箇所に応じてデッドニング材を組み合わせて張り付けることによりロードノイズを効果的に抑えることが可能となります。
ロードノイズ対策を行い快適な車内空間を実現しましょう!